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●雪国 ゆきぐに

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 中編小説。川端康成の代表作であるとともに日本近代文学の叙情文学の頂点に立つ。1935年(昭和10)の「夕景色の鏡」から各誌に「白い朝の鏡」「物語」「徒労」「萱の花」「火の枕」「手毬歌」の題で分載。それに書き下ろしの新稿を加えて1937年(昭和12)『雪国』の総題のもとにまとめられ,文芸懇話会賞を受けた。その後『雪中火事』『天の河』と書きつぎ,戦後これを『雪国抄』『続雪国』で改稿し,1948年(昭和23)完結版『雪国』が出された。主人公は無為徒食の島村で,雪国芸者の駒子が配されている。駒子のひたむきな生き方,島村への愛情はまったく徒労であるが,それゆえに駒子の存在は光をあげ読者をうつ。それとともに,妖しい美少女葉子の淡い三角関係がからみ,内面的に複雑な筋立てになっている。川端が『雪国』は“愛情に対する感謝”それが“少し深く入って,つらく現はれてゐる”という通りである。日本近代文学を代表する叙情文学の一つでもあり,サイデンステッカーによる英訳があり,川端のノーベル文学賞受賞の大きな力となった。死後,初出題『物語』までを散文詩のように抄出した毛筆書きの遺稿『雪国抄』が発見された。一刀三拝の推敲の極致になった作品。