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●遊牧民族 ゆうぼくみんぞく

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 家畜とともに牧草地帯を季節的・周期的に移動し,牧畜に依存して生活する民族。ユーラシア,アフリカ両大陸の乾燥地域の各地にみられたが,遊牧民を定着化させようと灌漑の近代化政策を進める国がふえたため,年間を通しての完全な遊牧民の人口は急減の傾向にある。遊牧民族は父系大家族を基本とする社会集団を組織し,共有する家畜を食糧あるいは衣服・住居・容器の材料として余すところなく完全利用し,移動の容易な組立式天幕を用いる。また農耕社会とのあいだに,畜産を穀類や生活諸器具類などと交易する相互依存の関係を有する。遊牧という生活形態上,旱魃・大雨・寒気などの自然災害にあいやすく,経済生活の基盤は弱い。北アジア遊牧民族の統一がなり,アジア史上最初の遊牧国家が成立したのは前3世紀の匈奴である。その後も騎馬による機動性によって農業地帯に侵入掠奪を加え,強大な征服国家を形成した歴史がある。