●唯心論 ゆいしんろん
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唯心論は形而上学的立場と認識論的立場に大別される。前者は唯物論と対立して,世界の究極的存在を心や精神とみなす立場である。後者は実在論に対立する用語で,観念論と同義に用いられる。いずれにしても,物体や自然を心や精神の発現・所産とみなす立場であって,物体や自然を否定するものではない。この見地は,古代におけるプラトンのイデア説,物体を魂の産出と説くプロティノスの流出説に端を発して,近世において顕著な展開を示している。非物体的な実体の存在を想定するライプニッツの単子論,自我の活動を根本原理として定立するフィヒテの知識学,主観と客観との統一を芸術のなかにみようとするシェリングの美的観念論,さらに弁証法的に自己展開する絶対者のなかに上述の体系を総合したヘーゲルの絶対的観念論,また意志を根本原理としたショーペンハウエルの思想などがそれである。