●日本武尊(倭建命) やまとたけるのみこと
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古代伝説上の英雄。景行天皇の子とされる。『古事記』『日本書紀』の所伝では,幼名を小確尊といい,父景行の命を受けて九州の熊襲を討ち,そのときその族長から「ヤマトタケル」の名を捧げられたという。九州から還るとすぐ,今度は東国の征討を命ぜられ,東国の荒ぶる神や蝦夷らを平定したが,帰途近江の伊吹山の神に打ちのめされ,大和に還る途中伊勢で息をひきとった。この伝説は,『書紀』では国家的・政治的に構成され,天皇に忠実な将軍の姿が描かれているのに対し,『古事記』では文学的・悲劇的に構成され,天皇から独立しているばかりか,むしろそれに反抗さえしている英雄が描かれている。伝説の祖型は,『古事記』のほうがより近い。日本武尊は実在の人物ではなく,南部九州や東国が大和王権に組み込まれていった5世紀ごろを象徴的に描くために創出されたものであろう。〔参考文献〕上田正昭『日本武尊』1960,吉川弘文館
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