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●宿屋 やどや

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 旅宿ともいう。古代においてはまだ営業的な宿屋はなく,多く寺院が利用されたが,むしろ野宿が当然であった。そのため旅には食糧・調度の必要品を備える旅篭と呼ばれる旅嚢を携行しなければならなかった。宿屋の発生は古代末,京・奈良のような都市や港湾,東海道・山陽道の宿などに起源をもつものである。東大寺の転害門付近には早くから参詣者専門の宿屋ができ,そのほかに商人宿専門のものとして問,問丸ができ,熊野神社や伊勢神宮の周辺にも御師がつくった参詣宿がつくられていったものと考えられる。しかし宿屋の発達が量・質的に向上したのは江戸時代になってからであった。古くは木賃が多かったが,しだいに食事付が一般化した。なかでも宿屋が多かったのは熱田・桑名などの東海道沿いである。それは何といっても七里の渡しとかかわっていると考えられる。