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●八色の姓 やくさのかばね

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 685年(天武天皇13)10月に大化前代以来の姓を改めて新たに制定した姓制。真人・朝臣・宿禰・忌寸・道師・臣・連および稲置の順の八姓から成る。制定と同日賜姓の真人は継体天皇5世内の皇別氏族に,翌11月,賜姓の朝臣は真人外の臣姓の皇別諸氏に,翌12月,賜姓の宿禰は連姓の神別諸氏に,翌年6月,賜姓の忌寸は直姓の国造諸氏にとそれぞれ続賜されたが,道師以下の四姓はいずれも賜授された形跡がない。この構成と賜姓傾向の実態を注目し,八色の姓の制度の構成は皇親の社会的地位確立を支柱とする天皇絶対化を理念としたこと,この理念の現実化に際し,天武朝当初以来の強力な官人制の推進を族姓第一主義の考選をもってしたこととかかわらせ,冠位上で小錦位以上に昇進し得る氏筋の樹立を策定した現れが忌寸以上の賜姓実施に止めざるを得なかったことなどの所論が提示され,通説的な対氏族政策重視論と視座を異にした論考が現れつつある。

〔参考文献〕竹内理三『律令制と貴族政権 I』1957,御茶の水書房

阿部武彦『氏姓』1966,至文堂