●薬師講 やくしこう
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薬師信仰は薬師仏に対する信仰で,薬師仏は薬師瑠璃光如来・大医王仏・医王善逝といい,東方浄瑠璃世界の教主で12の大願を発し,衆生の病根を救い痼疾を治す現世利益招来の仏として古くから信仰された。薬師講は,本来仏寺で薬師仏を念誦する法会の意であったが,中世には講元とよばれる世話役のもとに薬師の縁日に宗教儀礼を行い,飲食をともにする寄合に変わっていった。江戸時代以降は娯楽的となった。縁日は8日・12日・28日,地域によっては14日のところもあるが,釈迦と結びつく8日とするのが一般的である。なかでも,4月8日の仏生会を縁日とする薬師の名刹には露店,農具・植木市などが並んで賑わいをみせる。この日灌仏の甘茶を貰って眼を洗うと眼疾が治るといわれている。12月8日は納めの薬師で,釈迦の成道の日にあたり,事八日にもあたるが,地域によってはこの日を薬師講とよんでいる。講員は一定の講金を出して,一定の日にお日待をし,代参を立てて薬師の講摩札や供物を講中に配るのが一般的である。〔参考文献〕桜井徳太郎『講集団成立過程の研究』1962,吉川弘文館