●モンテ=カシノ
ヨーロッパ イタリア共和国 AD
中部イタリアのナポリ北西約45kmの所にある町カシノの背後にある山(標高519m)で,西ヨーロッパ最古のベネディクト修道院が建っている。カシノは古代ラティウム街道に沿ったローマ起源の古い町。ヌルシアのベネディクトゥスはスコビアの洞窟で隠者生活をし修道院を創設したが,529年数人の修道士とともにモンテ=カシノに移り,「ベネディクトゥス戒律」にもとづく修道院を設立した。同じころベネディクトゥスの妹スコラティカもカシノの近くに女子のための修道院を建てた。修道院創設以来,修道士たちは「祈り,かつ働け」の精神を修道生活の理想として学問や古典の写本に専念し中世を通じてヨーロッパ文化の中心地となった。修道院は11世紀に最盛期を迎えるが,1867年修道院は廃止された。第二次世界大戦ではドイツ軍が修道院内に司令部を置いたため,1944年モンテ=カシノの戦いで図書館と文書庫を残して完全に破壊され,戦後復興された。