●モーロア
ヨーロッパ フランス共和国 AD1885 フランス共和国第三共和政
1885〜1967 フランスの伝記作家・小説家。本名はエミール=エルゾーグでユダヤ人。ルーアンの高等中学校で思想家アランに学び,終生にわたる影響を受けた。高等師範学校に入学,教職を志したが,父の経営する織物工場につとめたのは,アランの忠告に従ったからである。第一次世界大戦に際しては連絡将校としてイギリス派遣軍に属し,この体験をもとに小説『ブランブル大佐の沈黙』(1918)を書いて好評を博し,作家になる決意を固める。2篇の小説を刊行したのち,いわゆる「小説化された伝記」である『シェリー伝』(1922)を公にして世界的名声を獲得,さらにディズレリー(1927)・ジョルジュ=サンド(1952)・ユゴー(1954)の伝記を書いて名声をゆるぎないものにした。ほかに小説『風土』(1928)や『英国史』(1937)・『米国史』(1943)などがある。彼は人間相互の理解と信頼に高い評価を与え,この視点から人間関係をとらえている。『風土』の諸人物も,したがって,必ずしも破滅的ではない。