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●森神 もりがみ

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 一叢の森のなかで祭る神。多くはその森のなかのとくに決まった1本の樹を神木とすることが多い。モイドンとかモリサンと呼ばれるのは森に敬称の殿,様をつけたものである。森神は家の神,または同族的な,あるいは地縁的な少数の家の集団の神となっている例が多い。その分布は代表的なものとしては福井県大飯町大島の「ニソの杜」や鹿児島県指宿地方に多い「モイドン」などがあるが,これらほど集中的ではないものは広く点々と分布している。森神の特徴的な性格は森の木を切ったり,森を汚したりすると強く祟る神として恐れられる点で,森荒神という名もしばしば聞かれる。森は祖霊の祭場であり,森神は祖神を祭るとされてきたし,森神は農耕神であるとも説かれてきた。近年はそれらの通説に対する批判的研究もでてきた。わが国民間信仰の最も根深いところに発する森信仰の研究の進展を注目したい。

〔参考文献〕直江広治「森神信仰」和歌森太郎編『西石見の民俗』1962,吉川弘文館