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●守り親 もりおや

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 娘が他家の子供の子守りをする慣習はかつては全国的に広くみられたが,大島と御蔵島を除く伊豆七島,および沖縄の多良間島では,子守と子守をされた子とのあいだに擬制的姉妹(弟)関係,または子守りの親と子守りをされた子とのあいだに擬制的親子関係が結ばれるという特異な慣習があった。守り親は後者の親に対する呼称である。たとえば利島の場合,娘が子守りをするのは数えの10歳ごろから3年間であるが,子の家では子守りの父母を守り親,兄弟をモリアニイ,姉妹をモリアネイと呼び,家族ぐるみの親密な交際をその後もつづけた。新島や八丈島では,子は成長後も子守りをした娘を相談相手とするばかりか,娘の母親にあたるモリカアも結婚式に招待する慣習があった。なお,多良間島の場合は擬制的姉妹(弟)関係のみであった。

〔参考文献〕大間知篤三「伊豆諸島の民俗 I・II」『大間知篤三著作集』第4・5巻,1978,79,未来社