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●喪屋 もや

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 葬送までのあいだ,死体を仮に安置しておいた小屋。あるいは死者の遺族が一定の期間忌みごもりをするために埋葬地の近くに建てた小屋のこと。前者は,殯宮(もがりのみや)・霊屋(たまや)・玉殿とも称し,死者に霊魂が甦るのを待つ所とされた。『栄華物語』にも「たまや」の語がみられ,江戸時代には日光・上野寛永寺・芝増上寺などが徳川歴代将軍の御霊屋となった。現在でも南西諸島や沖縄に霊屋と称する墓上に据えられた屋形があり,わずかに痕跡を残している。また後者は,死者の血縁者が不浄を避けて慎むために,村人と隔離した生活を送る施設である。のちに遺族の代理に墓番が置かれることもあった。伊豆半島のカドヤ・神津島のイミヤ・三宅島のイミカドなどはすべてこの種のもので,前者に比べかなり広域に分布していたらしい。現在では忌みごもりの慣習はほとんどすたれてしまったものの,葬家での通夜ヨトギ・喪服などの習俗に喪屋生活の名残りがみられる。