●桃 もも
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中国原産のバラ科の落葉低木。3〜4月ごろ,葉と同時に淡紅色の花をつける。初夏に熟す果実は食用となり,種子・葉・花は漢方薬として用いられる。桃は日本では古くから観賞を主体に改良が加えられ,江戸時代には200種以上の花桃が栽培されていた。明治時代になって果樹としての栽培が盛んになり,中国から導入した数品種をもとに,さまざまに改良がなされた。現在栽培されている主な品種には,「大久保」「白桃」「倉方早生」「白鳳」などがある。原産地の中国では,桃をめぐる故事伝説が数多く残されており,その中心思想に桃に悪魔を払う呪力があるとされていた。この思想は日本でも受け継がれ,古くは『古事記』に伊邪那岐命が桃の実を投げて雷神を追い払った話が記されている。また平安中期には農事上重要な3月節供と桃花が結び付き,この風習は現在でも桃の節供として重要な式日となっているなど,いずれも桃の呪力で邪気を払おうとしたものにほかならない。