●餅貰い もちもらい
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南島では稲の種籾をまく種おろしの行事を種取りといい,9月ないし10月の壬癸の日に種を水につけ,戊己の日にまく習わしであった。翌年の豊作祈願祭を兼ねていたため,いろいろな要素を含んでおり,餅貰いもその一つである。ムチムレと称し,奄美本島・徳之島の一部のムラで行なわれる。徳之島伊仙村面縄の例では,夕方に子供たちが面をかぶって擬装してシバを手にもち,たたき合わせもらった餅を入れる籠を縄でつなぎ合わせて振りながら各家々を回る。「餅をください。位牌に供えた餅をください……」とか「餅もらいがやってきました。…昔から先祖がやっていたからそれにならってやってきました」という意味の歌をうたうと,用意しておいた4〜5個の白い丸餅を籠に入れてやる。夜10時ごろからは青年たちが蓑笠をつけて各家を回ると,家々では水をかけたり,餅を与えたりする。奄美本島内でも種取りから13日後のカネサルに行うところや,与論島ではウンジャミ・シヌグ,喜界島ではシバサシに行われるなど時期には多少の変差がみられる。