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●餅無し正月 もちなししょうがつ

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 餅は正月に欠くことのできない食べ物とされるのが一般的であるが,ところによっては,正月に餅をいっさい食べないことがある。正月にまったく餅をつかない場合,ついてはおくが元日から数日間のみ食べない場合,新年に入ってしばらくしてつく場合などがある。日本全国で百カ所ほどこの習俗は残っていて,部落全体で食べない場所と,特定の旧家のみが守っている場所とがある。その由来としては,祖先が落武者で正月に餅をつけなかったのを偲ぶためとか,祖先が犯罪を犯したため餅に血がにじんでくるとかさまざまであるが,これらの土地では,正月の食べ物は,山芋とか里芋の場合が多く,この二つの芋は太平洋地域での主要食物であることから,水稲栽培以前の日本は芋栽培文化が主で餅無し正月はその,稲作以前の習俗が残っているとの見方もある。一方,折口信夫はハレの日に臼杵を使うのをタブーとした習俗の名残としている。