●モスクワ
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ロシア=ソヴィエト社会主義連邦共和国の首都であり,また,ソヴィエト社会主義共和国連邦(ソ連)の首都でもある。人口820万人(1984),面積886平方km。ヨーロッパ=ロシアの中心部にあり,ヴォルガ川とオカ川にはさまれた平担地に位置している。気侯は平均気温1月−9.9℃,7月19℃といった冷帯湿潤気候である。年間結氷日数は150日にも表れているように厳しい寒さの日が多い。モスクワには政治都市としての機能が集中しており,各種の行政機関が存在している。同時に,経済・文化の中心地でもあり,各種工業も盛んであり,また,高等教育機関も集中している。交通機関に関しても,鉄道・道路・航空網の拠点となっている。
【歴史】モスクワがロシアの中心地としての性格をもつようになった起源は,12世紀に木造の要塞(クレムリン)が造られたことにある。以後,ウラディミル公が支配したモスクワは交通の要衝にあることから発達していった。14世紀に,ロシア諸国を統一した中央集権的封建国家であるモスクワ大公国が成立した。モスクワはこの主都として栄え,ロシア全土の政治的・文化的中心都市になった。
帝政ロシアの発足は1613年のミハイル=ロマノフの即位による。新政府の下でもモスクワは首都として,政治・文化・宗教の中心地として機能した。人口も20万人を超えるようになった。
1712年,首都がペテルブルク(現在,レニンクラード)に移りモスクワの地位は低下した。1812年のナポレオンのロシア遠征の際には戦場となり大火に遭っている。1917年のソヴィエト社会主義連邦共和国の誕生の翌年1918年に,モスクワに遷都され現在にいたっている。
【産業】モスクワは手工業から繊維工業の町へと発展してきた。十月革命以後は重化学工業の発展もめざましいものである。現在,モスクワを中心とした半径350km圏内にある「中央工業地域」は,ソ連最大の生産を行っている。この工業地域は資源の面では必ずしも恵まれていない。しかし,政治の中心地,巨大市場の存在,豊富な人材,交通機関の集中といった有利性を生かして発展している。
動力源はヴォルガ川水系の水力発電,ウラル山地周辺の産地からパイプラインで送られている石油・天然ガスである。交通は,鉄道・道路・航空網だけでなく,内陸水路にも恵まれている。モスクワ運河によりヴォルガ川と連結し,ヴォルガ=ドン運河により黒海にも繋がっている。
現在,機械・電気機器・原子力工業・自動車・航空機といった最先端の工業が,この工業地域の中心となっている。
農業はモスクワ郊外で,主としてコルホーズの形態で行われている。大都市近郊の特質を生かして,野菜・果樹・酪農製品の生産が穀物の栽培とともに行われている。
【文化】モスクワは科学・文化の中心地でもあり,多くの高等教育機関が集中している。34階建の偉容を誇るモスクワ大学がレーニン丘にある。図書館では蔵書2,000万冊といわれるレーニン記念ソ連邦図書館がある。また,100以上の美術館・博物館がある。有名なものとして,レーニン中央博物館・プーシキン美術館・トルストイ博物館などがある。常設の国民経済博覧会は223ヘクタールの面積をもつ大規模なものである。
劇場もボリショイ劇場・モスクワ小劇場・モスクワ芸術座・中央人形劇場といった世界的に著名なものが揃っている。
【生活】モスクワの人々の多くは都市労働者であり,毎日の生活は通勤から始まっている。モスクワ市民の通勤手段は,地下鉄・バス・トロリーバス・市街電車・自家用車である。東京・大阪の地下鉄以上に立派であるといわれている地下鉄の整備が年々進んでいる。
モスクワの赤の広場にあるレーニン廟への参拝者の行列と人気商品を売っている店の前への行列は,モスクワの風物詩として有名であり,今日もつづいている。
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