●黙示録 もくしろく
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『新約聖書』中唯一の黙示文学でヨハネと自称する著者によって書かれているので,「ヨハネの黙示録」と呼ばれる。著者問題については,18世紀末までは古代伝承に従って,十二使徒のヨハネとする説が支配的だったが,今日では文体や用語研究にもとづいて疑問視されている。執筆時期にも諸説があり,ユダヤ人に対する敵意や迫害の脅威が語られていることから,イレナエウスの述べるドミティアヌスの治世末が有力視されている。小アジア西部の七つの教会宛てに,天上のキリストが書いた警告・勧告の手紙(2〜3章)ののち,七つの封印・七つのラッパ・七つの鉢の幻を中心とする黙示が,種々の表象を伴って示され,イエス=キリストの死と昇天によってすでに終末は始まっていることを強調している。千年王国説の根拠としてしばしば利用されたこともあり,とくに東方教会では正典性が問題にされたが,5世紀にいたって一般的に承認されるようになった。