●豪古襲来絵詞 もうこしゅうらいえことば
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『竹崎季長絵詞』ともいう。2巻の絵巻で御物となっている。土佐長隆・土佐長章父子の筆と伝えるが不詳。奥書に永仁元年(1293)2月9日とあるが,この年は8月5日の改元であるので不信。しかし鎌倉時代中期の作とみられる。内容は文永・弘安の両役に肥後国の武将竹崎季長が立てた戦功を描いた記録的絵巻である。前巻は文永役の戦闘状況と季長の鎌倉幕府へ報告のための下向状況を主とし,後巻は弘安役を描いているが,季長がこの絵巻を製作させた動機説に2説あって,1説は季長が幕府の論功行賞に洩れたので請願書としたという説と,もう1説は甲佐大明神の神恩で海東郷の地頭職を拝領できた報恩のため奉納したという。いずれとも決しがたい。それはともかく今日遺品に乏しい戦記絵巻のなかでは,甲冑・装束・てつほう(鉄砲)・日元戦法の相異などの史料として貴重であり,『平治物語絵巻』(ボストン美術館)に次ぐ名品である。
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