50音順    検 索

●毛遊び もうあそび

アジア 日本 AD 

 沖縄の農漁村において昭和初期ごろまで行われた青年男女の夜間野外での交遊。モーは野原のことで毛の字は発音の類似によりあてられたものである。漁村では,モーのかわりに砂浜で遊んだので浜アシビーともいう。宮古島では浜辺や村の広場で青年男女が内むきの円陣をつくってクイチャーを歌い踊るならわしがあり,これがモーアシビと同じ内容のものである。モーアシビに参加できる年齢は,夜なべ仕事に参加している者で,すなわち女子15〜22歳,男子17〜25歳ごろで,ほぼ一人前とみなされる人たちで,女子は結婚すると参加しなかったが,男子は同年生まれがいるあいだは参加する者もいた。時刻は,夜なべ仕事を終えた夜の10時ごろから,月が山の背に隠れかけるころまでが一般的だった。人数は10人内外のグループで行うのがふつうであったが,晩期になると部落対部落の交遊ももたれた。遊びの内容は,男女の歌の掛合いや,三味線に合わせて歌い踊った。士族系の娘たちは結婚が親決めであったためモーアシビへの参加は認められなかった。明治後半から昭和初期にかけて風紀上の問題から,警察や教育界から厳しく規制され,しだいに衰微していった。

〔参考文献〕名嘉真宜勝「沖縄の若者制度」大塚民俗学会編民俗学評論3−19