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●メンフィス

アフリカ エジプト・アラブ共和国 AD 

 エジプトの古都。先史時代末期,上エジプト王国(ナイル川中流地方)と下エジプト王国(ナイル川デルタ地帯)が対立していたが,前3100年ごろ,前者が後者を征服して,世界に先がけて統一王国を建設。統一者メネス(またはナルメル)が,エジプト全土の支配を容易にするため,上・下エジプトの中間点にあたるこの地(カイロ南方約30km)に新都を造営。その名はメンネフェルと呼ばれたが,これをギリシア人がなまってメンフィスと呼び,それが通称となった。古王国時代に最も栄え,都が他地方に移ったのちも,長く政治上・経済上の重要性を失わなかった。王宮や市神プタハの神殿などは日乾しレンガでつくられていたため,現在はみるかげもない廃墟と化しているが,西方の砂漠台上に残る,ギゼー(ギザ)の3大ピラミッドを初めとする諸遺跡(おもに墳墓群)がこの都市の往時の繁栄を十分に伝えている。技術の神プタハはこの地方では造物主とも考えられていた。