50音順    検 索

●メシア

ヨーロッパ ギリシャ共和国 AD 

 ギリシア語ではキリストと訳されているヘブライ語。ユダヤ教とキリスト教の終末思想で待望された救世主のこと。新約ではイエスの称号として用いられている。ヘブライ語の原義は「油を注がれた者」という意味。旧約では,王の即位や祭司長の聖別の際,頭に油が注がれたが,ほぼこの意味で39回使用され,この場合,メシアと呼ばれている者は必ずしも終末に期待されている救世主のことではない。しかし救世主への待望を記述した個所は多く,たとえば『イザヤ書』(9章2節〜7節)では,奴隷化されたイスラエル民族の解放と救いが,男児の出生によってもたらされるとしている。後代のユダヤ外典になると,来たるべき救い主に対して使われはじめ,前1世紀中ごろの『第2バルク書』では,罪と苦悩が極限に達したときメシアが現れ,彼は豊かな時代をもたらし,彼を待望していた死者はすべて復活する。このような政治的色彩の濃厚なユダヤ人のメシア待望は,バル=コクバの反乱がローマ帝国によって鎮圧され(135),ユダヤ民族が国土を失うまでつづいた。キリスト教では,イエスを十字架上の苦難によって人類の罪をあがなった者,という理解でみている。