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●目ざまし教科 めざましきょうか

ヨーロッパ フランス共和国 AD 

 フランスの学校教育の科目群の名称として,1969年以来公式に採用され,現在は“目ざまし活動”と呼ばれている。具体的にいえば,従来の道徳・公民・歴史・地理・理科・図画・工作・音楽などの科目を総称したものである。

三区分教授法目ざまし活動】現行の教育課程は,1975年のアビ改革にもとづく1976年以降の法令によって実施されているが,1969年7月から8月にかけて“目ざまし科目”の新設を含むいわゆる“三区分教授法”の教育課程が定められている。とくに,従来小学校とは違う独自の性格・構成の教育課程をもっていた幼稚園も小学校と同一構成の教育課程が適用されている。すなわち,初等教育においては,小学校のみならず幼稚園の教育課程もこの三区分教授法の方式によるとされ,国語・数学の知的基礎的科目は週あたり15時間,“目ざまし科目”と称される科目(道徳・歴史・地理・理科・図画・工作・音楽)は6時間,体育6時間の計27時間とした。なお,暫定的に残存していた小学校完成級の場合は,やや異なって“目ざまし科目”の代わりに“自然・人文の環境学習” 4時間と芸能教育3時間とが設けられた。中等教育においては,はじめの2カ年は,I(旧古典科)・II(旧近代科)・III(旧推移学級)の3コース制をとっていたが,I と II とは共通の科目編成として,基礎的科目(国語・数学・外国語)計14時間(第2学年では15時間),「目ざまし科目」(歴史・地理・公民・生物・図画・音楽・教育的工作)計8.5時間,体育5時間で合計27.5時間(第2学年では28.5時間)となった。III のコースにおいては,小学校完成級の場合と似た科目編成をとり,基礎的科目(国語・数学・外国語)15時間(I ・ II のコースに比べて国語が多く外国語が少なくなっている),目ざまし科目は自然・人文の環境学習4時間と芸能教育3時間,体育は5時間で,合計27時間とされた。

 このように三区分教授法は,教育革新の主要課題のうち,授業の理想的配分の方式として採用されたのであるが,国語・数学の知的基礎的科目は午前中にまとめて授業し,体を動かして学習する目ざまし活動や体育は午後にあてられている。そのねらいは,児童の健康上の安定をはかり,それによって知的・道徳的な安定をもたらそうとしている。しかし,この趣旨を十分に達成するためには,指導にあたる教員の創意および意欲が高まっていることが前提であって,このための現職教育が不可欠の要件とされている。なお,初等教育の週当たりの授業時間が従来の30時間から27時間に減少したのは,主として児童の心身の発達および家庭生活上のことを考慮したからであるが,それによってできた3時間の余裕は,教員に対して自己研修の機会を与えることになる。教育行政当局は,教員がこれを活用して,新しい教授法を身につけるよう指導している。なお,公の実施にいたるまで長期間の実験的試行が行われてきたが,次のような試みがなされていた。初等教育においては,(1)午前中は知的学習に,午後は体育(年齢・性別により各週3回ないし5回)にあてること,(2)毎日の授業時間を,昼寝1時間と必修学習1時間とで補完すること。中等教育においては,(1)午前中に知的科目の学習にあてること,(2)毎週3時間を特別指導学習にあてること,(3)毎日おやつ(20〜25分)と休息(25〜30分)の時間を設けること,(4)毎週12時間の体育(1時間3回,3時間2回と3時間1回の戸外活動よりなる)を設けることなどである。

【現況】目ざまし活動を目玉とする三区分教授法の方式は,現在初等教育では実施されているが,教科担任制の中等教育では事実上普及しなかった。また,目ざまし活動は,多くの科目の総称であるとともに,その独自の教育内容および指導方法をもつことが期待されるが,たとえば教科書は従前の科目である歴史・地理・理科・工作・音楽などの別に作成・使用されることが多く,独自の教科書はないこともないという程度である。なお,現在初等教育での授業時間数は,国語9・数学6・目ざまし活動7・体育5の合計27時間である。