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●メガロン

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 ギリシア語で「大きい部屋」を意味する。原始ギリシアの住居建築の形式で,古典期にはその典型的なものはみられなくなっている。細長い部屋あるいは広間。矩形で,入口から前室のある場合,ポーチと前室がある場合,奥に小部屋がある場合と多様であるが,中央に炉がある主室が前後に連続している。民家よりはむしろ,宮殿や大型の家屋にこの形式が認められる。新石器時代のテッサリアに原型が現れ,のちに神殿の核室となった。メガロンは本質的には,比較的寒冷で湿潤な気候に適した北方形の部屋であった。部屋の配置や炉は保温を目的としていることを明らかにしている。メガロンの形式が完成し普及したのはミケーネ時代であり,ミケーネ,トロイア第6・7市,ミケーネ文化圏の各地で,城塞の中心建築になっている。そのうちでもティリンスの城塞が代表的で,独立した三つのメガロンをもっている。ミケーネ世界没落ののち,ギリシア人はこの王宮建築から神殿形式を発展させたが,炉はもっていなかった。このメガロンを核として柱廊をめぐらせたのが,ギリシア神殿である。