50音順    検 索

●明夷待訪録 めいいたいほうろく

アジア 中華人民共和国 AD 

 明末清初の考証学者黄宗羲(1610〜95,万暦38〜康煕34)によって著された政治論。1巻。1663年(康煕2),黄宗羲の郷里である浙江の余姚で完成。序につづいて,原君・原臣・原法・置相・学校・取士・建都・方鎮・田制・兵制・財計・胥吏・奄宦の13篇から構成されている。書名の「明夷」とは易の卦名で,明(めい)の夷(やぶれ)ることを意味するが,さらには異母弟である暴君紂王のもとで狂人を装い,正しい志を保ちつづけた箕子が,ついに周の武王の師となって政治を下問された故事を念頭に置いたものであろう。暗君の支配する明夷の今日を耐え忍び,やがて出現するであろう聖天子から下問(訪の意)される日を待ち望む(待の意)という意味である。一時乾隆帝によって発禁処分を受けたが,清末に改革運動の気風が台頭するに及んで,民権・共和の宣伝パンフレットとして,盛んに流布された。