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●室生寺弥勒堂釈迦如来像 むろうじみろくどうしゃかにょらいぞう

アジア 日本 AD 

 本尊の右の厨子内に客仏として安置されている木造彩色像。像高105.7cm,檜材,国宝。9世紀も末に近いころにつくられたもので,本来は薬師仏だったとする説もある。堂々とした量感のある体幹部から左腕・右腕の上膊部までを一材から彫り出し,これに右肘から先と左手首を矧ぎ,膝前を別材とし背面を内刳りして背板を当てている。現在螺髪はすべて欠失。もとは彩色像であったが,今は衣の一部に朱彩を残すだけである。目鼻立ちが大きく,臂と胸を張った体躯は均衡がとれ,力が充実している。面相は神秘性を減じて円満,豊頬・長い眉に端正な口許,鋭いのみによって彫られた衣文は全面にわたって流麗そのもので,飜波式の典型的なものである。左肩からの襟が胸高にわたり,下腹にかけて幅広くなっているので衣褶が繁く目立ってみえるとはいいながら,裳先の二つの渦文とともにやや繁雑で形式化した一木造りという感じをまぬがれない。

〔参考文献〕倉田文作編『貞観彫刻,日本の美術44』1970,至文堂

『日本古寺美術全集8』1982,集英社

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