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●室生寺金堂 むろうじこんどう

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 金堂境内の斜面を段状に開いた敷地に南面して建てられ,もと根本堂・薬師堂と呼ばれた建物である。桁行5間,梁間4間(現在5間)の正堂に一間通の孫庇(まごひさし)を礼堂(らいどう)として設け,懸造りとしたもの。円柱に大斗肘木をのせ,側面中央の柱間よりも庇を広くとっている。屋根は檜皮葺,柱上には大斗肘木を置くだけの,簡素な構造によっている。内部は床を低く張り,母屋の背面三間は板壁とし,中央間に伝帝釈天曼荼羅図を描いてある。1672年(寛文12)大修理を行い,その際前面に礼堂を追加したが,原型をそこねたともいわれる。正堂は8世紀末から9世紀初のあいだに建てられたもので,床や屋根に国風化のきざしが見られる。簡素な造りは山岳寺院の金堂にふさわしく,その美しい姿は平安初期の数少ない遺構の一つとして特に貴重である。国宝。

〔参考文献〕『日本古寺美術全集8』1982,集英社

『原色日本の美術5』1975,小学館