●村八分 むらはちぶ
アジア 日本 AD
村民のあいだで慣習的に執行されてきた制裁の一種で除名絶交のこと。村ハチブは標準名でムラハジキ・ムラバネ・ムラハズシ・ムラバナシなどきわめて異称が多い。村寄合の決定に従わぬ,窃盗・山荒し・失火,特定の宗教を信じて村祭りに参加せぬ,村人の反感を買う異常不逞の生活態度など村落生活の秩序を乱す行為が対象となった。ハチブを宣告されると家族ぐるみ公私にわたって一切の交際を断たれ,もし交際する者があればその者もハチブにされる。自給自足的な村落生活ではハチブにされることは追放にも等しい制裁であり,たいていの場合に有力者や親族の仲介で謝罪して許されるが,そのときは村寄合の席上で謝罪の挨拶をし,酒肴を振舞うのがふつう。村八分記事のある地方文書もあるが,閉鎖的な山村にその例が多い。現在でも国家法の領域外で村八分が存続し,基本的人権を侵すものだとして問題になる場合がある。