●村君 むらぎみ
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邑君とも書く。浦君とともに漁村の指導者。もっと正確にいうと漁業の者の意。『宇津保物語』『和名抄』にみえる語で,古いことばである。おそらく今日でいう網主・網元・親方などの漁業主,つまり漁夫長・漁労長をさす。その他長崎県五島地方では,福江の区長を村君と呼ぶ。そのほかにムラギメ(大分県北海部郡)・ムラギシ(鹿児島県肝属郡),ムラガミ・ムラゴミ(山口県周防大島),ムラゲン(千葉県夷隅郡)などに訛っている。また伊予の日振島のような大村君・沖村君・浜村君のような数種の村君の存在する地域もある。かつては村の行政的指導者であったものが,漁業上の指導者とが一致しているのは,これが非定住者であることとかかわっているのか,こうした点ももっと集団性の意味づけとかかわるのではないか。