●無抵抗主義 むていこうしゅぎ
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圧政や弾圧に対して暴力をもって抵抗することなく,悪に打ち勝とうと主張する立場である。古くは,紀元前後のギリシア・ローマによって征圧された中近東の宗教に無抵抗主義の発祥をみることができる。この消極的とも考えられる手段において,政治的なものと結びつかない典型としてキリスト教があげられる。〈悪に抵抗するなかれ〉というイエス=キリストの教えは,ローマの迫害に対して,殉教の形で現れ,その精神は17世紀のイギリスのクエーカー教徒による反戦運動へと受けつがれていくのである。このキリスト教精神と無政府主義思想を結合させた純粋な無抵抗主義を主張したのが,ロシアのトルストイであった。戦争はもちろんのこと,近代国家そのものを否定する立場をとったことで有名である。これに対してガンジーは非暴力をもってイギリスに抵抗したが,政治とのかかわりを持った点でクエーカーやトルストイと微妙に異なる。