50音順    検 索

●陸奥話記 むつわき

アジア 日本 AD 

 戦記物の一つ。前九年の役の合戦記。陸奥物語ともいう。戦後,陸奥国から朝廷に奏上された国解を中心に,これに従軍した兵士たちの体験談などを織りこんで綴ったもの。平安後期11世紀後期ごろの成立。作者不詳。陸奥国鎮守府下の奥六郡の俘囚長安倍頼時が六郡を私領のように支配し,横暴をきわめても,何人もこれを制しえなかったこと,太守藤原登任(なりとう)がこれを攻めてかえって大敗し,源頼義が陸奥守兼鎮守府将軍となって下向,これとたたかってもやはり勝てず,出羽山北(せんぽく)の俘囚主清原光頼・武則1万の軍隊の参戦により,ようやく厨川柵(盛岡市)にこれを滅ぼすことのできたことが書かれている。1051〜62年(永承6〜康平5)まで12年かかっている。辺境豪族安倍氏・清原氏が,源氏・平氏に対抗する北の武門に成長してきている様子を,力強い文章で表現した戦記物の代表作の一つ。

〔参考文献〕続群書類従完成会『群書解題13 合戦部(一)』1960