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●陸奥 むつ

アジア 日本 AD 

 近代以前,東北地方の太平洋側地域を広く呼んだ汎称・国名。今日の福島・宮城・岩手・青森の4県にあたる。ただし,出羽国のうちの置賜・最上地域も,奈良時代のはじめは陸奥国であったことなどもあって,出羽国まで含めて広く「みちのく」と呼び,陸奥国と一体の考えかたをすることもある。はじめ「道の奥」と称し,国家支配の及ばない未組織の地の意味であった。エゾと呼ばれた抵抗民のいることろでもあったので,「エゾの国」(蝦夷国)と同じ意味にも用いた。大化改新とともに「道奥国」を置き,のち陸奥国と改称,平安初期まで,およそ40郡188郷の国づくり・村づくりをすすめたが,岩手郡を北限とした。安倍・平泉藤原時代,津軽・糖部方面まで支配が及んだ。1189年(文治5)の平泉の役,1590年(天正18)の太閤仕置をへて内国体制を定め,1868年(明治1),磐城岩代・陸前・陸中・陸奥の5国に分国,陸奥国の称は廃止された。

〔参考文献〕高橋富雄『蝦夷』1963,吉川弘文館