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●無著像 むちゃくぞう

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 無著と世親は,5世紀ごろインドで法相の教学を確立した兄弟の学僧。二人の肖像は興福寺北円堂の中尊弥勒菩薩坐像に随侍して置かれ,気魄に満ちた表情と,骨格の太いたくましく雄大な体躯,陰影豊かな衣文が深く刻まれている。頭体幹部を桂の一材からつくって体部両側と背面を寄せ,面部を割り矧いで玉眼を入れている。像の表面は材の矧ぎ目などに布貼りをし,全面に錆漆を塗って地固めをした上に彩色を施している。黄土色の法衣には大柄な蓮華文や宝相華文,袈裟には遠山などを極彩色で描いてあるが,剥落が目立つ。国宝。像高194.7cm。なお世親像の像高は191.6cmである。どっしりとしたスケールの大きな両像は,鎌倉時代肖像彫刻中の傑作である。

〔参考文献〕『奈良の寺13』1974,岩波書店

『日本古寺美術全集5』1980,集英社

『文化財講座 日本の美術 7』1978,第一法規