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●無著 むちゃく

アジア インド AD 

 菩薩名。梵名阿僧伽。世親菩薩の兄。ともに法相宗の祖となる。無隣礎とも訳す。また阿僧法ともいう。この名は〈既得大乗定観。因此為名。名阿僧伽阿僧伽譯為無着〉『婆蔽磐豆伝』によってあきらかである。〈健駄羅国は東西千余里……印度の境にありて論を作れる諸師として,すなわち……無著菩薩,世親菩薩……等の本生の処あり〉『大唐西域記巻2』とあるように,正法の末,インドの健駄羅国に生まれ,世親菩薩の兄に当る。世親は初めは小乗の論師であったが,無著の論破にあって,大乗の論師となった。それゆえ無著は大乗仏教発展のための理論家である。父は国師婆羅門橋戸迦,母は比隣持,弥勒伝師を伝郷している。はじめは小乗を学んだが大乗諸論に通ず法相大乗発揚につとめ,75歳で寂滅。著書には『瑜伽師地論』3部・『顕揚聖教論』20巻・『大乗阿毘達磨集論』7巻・『摂大乗論』3巻・『順中論釈』『金剛般若論』各2巻など,著述も多い。釈迦滅役900年ごろに北インドの健駄羅国に生まれた人という。