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●ムーダン

アジア アジア AD 

 朝鮮における巫覡の蔑称。巫俗の歌舞賽神(クッ)を主宰する巫は,ソウルとその周辺ではマンシン,漢江以南の南部地方ではタンゴルと呼ばれ,女性が圧倒的多数を占めるが,済州島ではシュバンの名が用いられ男性も少なくない。一般に中部以北の地方では,病いと神憑りの体験をへてから師弟関係によって巫業を継ぐのに対して,南部地方のタンゴルは世襲継承による内婚的な巫業集団をなしており,司祭者としての性格が強い。南部地方における憑依的な巫の伝統はむしろ女性の占匠(チョムジェンギ)にみられる。クッは病気その他の災厄を祓うための賽神・死霊供養・祈福儀礼が主体をなす。中部以北では激しいリズムの巫楽と跳躍を伴う踊りや託宣を含む対話を特徴とするのに対して,南部地方では静かな舞いと民謡調の楽と歌を主体として芸能的性格が強く,夫婦や親族がチームを組む。ムーダンを蔑視する風潮はとくに南部地方では根強いため,無形文化財としての保護にも限界がある。