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●ムサイリマ

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 ?〜633 イスラームの預言者ムハンマドの死の前後,アラビアに輩出したいわゆる偽預言者の一人。本名は「神に祝福された者」を意味するマスラマで,イスラームの歴史家は彼を卑しめて,縮小形でムサイリマと呼ぶ。7世紀のアラビアは,多神信仰が根強く残っていたが,一方,ユダヤ教やキリスト教といった一神教も広範に広がっていた。そのようななかで,一神教を説いたムハンマドが政治的な成功をおさめると,アラビアの各地に預言者と称して政治活動を始める者が輩出した。後世のイスラーム史書はこのような預言者を偽預言者として扱うが,ムサイリマはそのなかにあって最大の勢力を誇った。彼の宗教活動はムハンマドの生存中から始まり,今日のサウジアラビアの首都があるヤマーマ地方でラフマーン(慈悲深き者)という唯一神への信仰を説いて,ヤマーマ地方の住民をほぼ組織し,ムハンマドの勢力の浸透をゆるさなかった。ムハンマド没後,カリフ=アブー=バクルが派遣したイスラーム教徒軍と彼の軍は激戦を繰りひろげたが,彼はついに敗れ戦死した。