●無縁仏 むえんぼとけ
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祀ってくれる子孫親族をもたない亡者の霊。ガキボトケ・ムエンホウカイ・外精霊・お客仏ともいう。仏教語の「無縁仏」は,過去世に自分と縁を結んだことのない仏のことであるが,わが国の民俗社会では死者またはその霊を「ホトケ」と呼ぶ。多くの死霊は年月をへて先祖になると考えられており,無縁仏とは祖霊になることのできない霊のことで,弔う縁者のない霊のほか,子女の霊,非業の死を遂げた人の霊などを含む場合もある。無縁仏の諸霊は邪霊・悪霊と同等にみられ,祀りなだめられないままでおかれると,この世に害を与えるとされる。盆行事においては家の先祖を祀る精霊棚とともに,その片脇に無縁棚を設け供物を分かち祀る。農作物の被害も無縁の諸霊のしわざとされ,盆踊りや虫送りの行事は,村外に諸霊を送り出す儀礼よりおこったものである。墓地や村境には無縁の霊をなぐさめるために,無縁塚や三界万霊供養塔が建てられた。