50音順    検 索

●明令 みんれい

アジア 中華人民共和国 AD1367 元

 中国,明朝の基本的法典の一つ。朱元璋が明朝建国前の1367年(呉1)に,李善長らに命じて律とともに編集させ公布した。1巻145条で,吏・戸・礼・兵・刑・工の計六令より成り,『大明令』と言う。その後,1373年(洪武6)に始まる律の政定に際して,明令中の36カ条が律に採入されたが,令そのものの更定は行われていない。ただし,1372年制定の『宦官禁令』『洪武礼制』『吏部職掌』『孝慈録』などの行政法規にかかわる種々の単行法典が作成されて明令の欠を補った。唐令が主として行政法・民法としての諸規定をもっているのに対して,『明令』は明律とともに刑法的性格が強いことと,一方で律の改定がしばしば行われているので令の改定を必ずしも必要としなかったのであろう。また,律の構成において唐律にならっているにもかかわらず令においては唐令と異なった構成をとっているのは,元代の『大元通制条格』や『大元聖政國朝典章』などの影響を受けた結果であるという説もある。太祖は,令の趣旨を民間に徹底させるために,1367年には『律令直解』を,1373年には『律令憲綱』を作成して諸司に配ったが,明令そのものが簡単であったこと,単行の行政法規が数多く作成されたことから明令はやがて実用面から遠ざかっていったようである。16世紀以後に『大明会典』がつくられた必然性もこのあたりにある。