●民選議院設立建白書 みんせんぎいんせつりつけんぱくしょ
AD1874
1874年(明治7)1月17日,愛国公党が左院に提出したもので,選挙で選ばれた人たちによって構成される議会の設置を訴えたもの。愛国公党はその前年,征韓論で下野した板垣退助などをかついで,士族出身の知識人である小室信介・片岡健吉・由利公正・古沢滋らが結成した。板垣主唱のもとに古沢が起草し,副島種臣が筆を入れており,ほかに岡本健三郎も連署している。天皇や人民を顧みない〈有司専制〉を批判し,〈天下の公議〉を張り,有司の権限を抑えることにより〈上下安全〉国民全体の〈幸福〉を確保することができるとし,そのために〈民撰議院を立つる〉ことが必要だというのがその主張するところであった。その主張は天賦人権論に基づくものであったが,一面窮乏化した不平士族の不満の一表現形態であったとも言える。建白書は左院提出と同時に新聞にも発表されて広く国民に知らせるという形をとったため,多くの論議を引き起こし自由民権運動発展の巨大なきっかけをなした。〔参考文献〕板垣退助監修『自由党史』全3巻,1957〜1958,岩波書店