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●弥勒如来感応抄 みろくにょらいかんのうしょう

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 宗性弥勒信仰を表すもので,重要な『三国弥勒径生伝』としての集録とも言える。『弥勒如来感応抄』全5冊の自筆本が存在する。そしてこの書物は1235年(文暦2)を中心として編さんされ第5冊のみ1260年(文応1)に編さんされている。その収録された伝の採録年次に至ってはそれぞれの綴目端書を見ることによって判明する。この宗性の『弥勒如来感応抄』の編さんは,1233年(天福1)正月11日笠置寺東谷房で笠置山護法所経蔵の本から,『高僧伝』『西域求法高僧伝』『法顕伝』『続高僧伝』などを読み資料の抄録を始めたことからである。その準備として宗性はまず手近の諸本よりの項目の摘出を行った。これを『弥勒如来感応指示抄』と呼んでいる。この宗性の『三国弥勒往生伝』と考えられるこの書の編さんは,宗性の畢生の事業ともいうべきもので,その目的は宗性の個人的信仰に起因するものだが,その弥勒信仰の形態は先述のごとく解脱上人貞慶弥勒信仰の継承であると考えられる。そして宗性貞慶のなし得なかった『弥勒往生伝』の編さんにおいてその特質を見ることができるのである。

〔参考文献〕平岡定海『東大寺宗性上人の研究並史料』上・中・下,丸善書店