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●ミルトン

ヨーロッパ 英国 AD1608 前期スチュアート朝

 1608〜1674 シェークスピアと並び称されるイギリスの詩人。ロンドンの富裕な公証人の長男に生まれる。ケンブリッジ大学に学ぶ。在学中より徐々に未来の叙事詩人としての自覚を深めていく。初期の代表的作品に仮面劇『コウマス』・哀歌『リシダス』がある。1638年大陸を旅し,グロティウスやガリレイと親交を結ぶ。翌1639年故国の政情不安を憂い帰国する。イギリス革命に際し議会派の論客として信教の自由を主張する『イングランド宗教改革論』,言論の自由を説く『アレオパジティカ』ほか多くの論文を発表する。クロムウェル政府の外国語担当秘書官となり,共和政府を擁護する文書を精力的に作成する。両眼の失明・妻子の死・1660年の王制復古・財産剥奪と追放など相次ぐ苦難のなかで,二大叙事詩『楽園の喪失』『楽園の回復』を口述により完成させる。晩年作の悲劇『闘技士サムソン』には,波瀾万丈の生涯を送った詩人の魂の相克と最終的に到達した穏やかな宗教的境地が映し出されている。

〔参考文献〕17世紀英文学研究会編『ミルトン研究』1974,金星堂

新井明『ミルトン論考』1979,中教出版

新井明『ミルトンの世界』1980,研究社