●ミール
NIS諸国 ロシア連邦 AD
13〜20世紀初めのロシアの村落共同体。ロシアの古い法典『ルースカヤ=プラウダ』ではヴェルフィ,一般的にはオプシチナと呼ばれた。ミールとはロシア語で平和・世界を意味する。その長は構成農家の戸主が選挙によって選び,租税の割当て・徴税・下級裁判などを行った。1840年代のスラヴ主義者は,西欧の自由は弱者を圧倒する自由であると主張,ミールの相互扶助の社会に真の自由が見出されるとしてこれを賛美。1861年の農奴解放後も存置され,土地はその共有地となり,土地の割替,農民に対する行政・司法的権利をもち,土地賠償金の支払・納税の連帯責任を負い徴兵の任にも当たった。ナロードニキはミールをロシア固有の社会主義的基盤と考え,資本主義を回避して直接社会主義に移行できるものとした。1889〜1917年ミールは地方行政当局の管轄下に置かれ,1906年のストルイピンの農業改革で廃止されたが,一挙には消滅せず,スターリンの農業集団化の時期まで存続した。