●ミフラーブ mihrab
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モスクの礼拝堂の内壁につくられたアーチ形の壁龕。キブラすなわち礼拝の方角を示すもので,具体的にはその壁龕の方向がメッカを向いている。メディナへの聖遷後一年間は,キブラはイェルサレムであった。しかし『コーラン』第2章42節以下にあるように方角についての啓示が下り,それ以来メッカがキブラとなった。「お前の顔を聖なる礼拝堂(カーバ神殿)の方に向けよ。汝らいずこの地にあろうとも,必ず今いった方角に顔を向けて祈るのだぞ」(第2章144節)とある。現在メディナにあるキブラターニ=モスクには二つのミフラーブがあり,使用されない北側のミフラーブはイェルサレムの方を向いており当時の名残を示している。ミフラーブはモスクには必ず一つないし数個つくられる。ミフラーブは漆喰・石・木などで念入りにつくられ,ときにはタイル・ガラスで装飾する。世界のムスリムは各地のモスクのミフラーブによって等しくメッカを礼拝しているわけである。