●美濃紙 みのがみ
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和紙の一紙。本来直紙または書院紙と言うべきであるが,美濃国(岐阜県)産が代表なので名づけられた。その名の初見は737年(天平9)で,写経用紙として使用された。10世紀初めの延喜式に美濃国紙屋と称する官営製紙場(垂井泉尻)が記されている。その後,揖斐郡・本巣郡・山県郡・武儀郡などでもつくられるようになったが,商品として発展したのは15世紀後半以降,領主土岐氏の保護による。当時,播磨の杉原・越前の鳥子に次ぐ良紙として公家などに珍重された。武儀郡大矢田(美濃市内)に紙の特殊市があり,京都の宝慈院が本所,近江国愛智郡枝村の商人が紙座を組織して,美濃・近江・京都・伊勢などでの運送・販売の独占権を得た。慶長(1596〜1614)以降,幕府御用紙を納め,大垣藩・苗木藩の保護を受け問屋制家内工業として発展した。明治以降技術的改良も行われ,現在手漉和紙生産の約20%を占めている。中心地は今も美濃市である。