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●ミスル

アジア アラブ首長国連邦 AD 

 7世紀前半,アラブの大征服が行われた際,各地につくられたアラブの兵士のための駐屯地,それから発展した軍事都市のことをいう。アラビア語のもとの意味は“境界”(複数形のアムサール)である。文献史料によると七つの軍事都市の存在が当初,知られているが,そのなかでとくに有名であったのはイラクのバスラとクーファ,エジプトのフスタート(カイロ南郊),チュニジアのカイラワーンなどである。ミスルには総督が軍隊を率いて駐屯し,政治・軍事の中心という性格が強かったが,時代が下るに従い,モスクやバザールが建設され通常の都市に発展していった。現在みられるイスラーム都市の多くは,ミスルの発展したものである。人口構成も当初はアラブ兵士とその家族だけが居住を許されていたが,のちになると商人,職人,アラブ以外の諸民族も移り住むようになり,住民構成が多元化した。現在,ミスルはアラビア語でエジプトという国名をさすこともある。