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●ミサキ神 ミサキがみ

アジア 日本 AD 

 屍体にとり憑いて死霊を崇る悪霊(=ミサキ)と化そうとする邪霊のことをミサキと呼ぶ。古くは凶癘魂・取神(とりじん)とも称し,喪礼に巫者によるミサキ離し,取神離し,マブイワカシ(南島)などを行った。水死・戦死などの異常死者や,祀ってくれる者がいなかったり,十分な喪礼をうけなかった死者の死霊が,ミサキと化するものとされた。浮遊するミサキは生者にも崇り憑きものになったりした。ミサキは鄭重に祀られることによってその崇りを鎮め,ときには守護霊化された。さらに,高位の仏神の先駆け・使霊ともされ,アラミサキとして,主神の働きをより強力に発現させる一方で,主神の崇りの部面をも顕わすことがあった。みえる形では,熊野や厳島のミサキ烏,稲荷の狐・オサキ狐のように,烏や狐の姿をとるともされた。熊野の牛玉宝印の烏は加護嚮導するミサキ神であり,死者の世界のミサキ神の鎮められた姿でもある。