●見返り美人図 みかえりびじんのず
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肉筆浮世絵師の祖といわれる菱川師宣のかいた二つの作品の一つ。見返り美人画は,菱川師宣が高嶺の花として貴族・武士(大名)の愛好者であった美女を,様式・内容はともかく江戸庶民の手のとどくところとしたこと,吉原の世界を土佐・狩野派の手法をまじえた明快な筆さばきによってみごとに再現させ,人々によろこびをあたえた。そこには生きた表情がうかがえる。彼の遍歴の絵師生活はこの作品に見ることもできる新領域の開拓で絵画史上に画期をもたらした。一枚絵は少なく,多くは絵本になっているのに,1枚画そのもので,房州の人であるせいか,房陽菱川友竹とサインしてある。菱川師宣の号が友竹であることから,彼の作品であることは間違いない。