●ミイラ
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恒久的に保存された屍をミイラといい,その例はわが国(たとえば即身成仏)やペルーなどにもみられるが,数も多く,製作技術の発達したのは古代エジプト。そこでは来世における永生が固く信じられ,その必要条件として屍の保存が要求されたからである。製作方法は,屍の脳髄をぬきとり内臓を取り出したあと,天然の炭酸ソーダで脱水し,樹脂を塗った麻の包帯で巻いて形を整えた。内臓は別に4個の壺のなかに納められた。包帯のあいだには貴金属や貴石の護符をはさんだことも多かったので,墓の盗掘者たちはしばしばこの包帯をはがしている。後代にはミイラのかけらが薬として用いられたこともある。無数といってよいほどのミイラが現存するのには,この地の極度に乾燥した風土も大きく作用している。王者のミイラには,生前の名の確認されているものも少なくない。人体のミイラのほか,雄牛・ワニ・朱鷺・猫など,聖獣や聖鳥のミイラも多く発見されている。