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●マンナオシ

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 不漁が続く際に行われる豊漁祈願の行事。シアワセナオシ,ゲンナオシともいう。マンもゲンも同じ感覚の語で,幸運というほどの意である。多くは氏神にお籠りしたり,酒盛りする程度の簡単な行事になっているが,古風をうかがわせるものもある。広島県豊田郡安芸町三津あたりではこの酒席へ同業のほかの者がボラを一尾投げ入れると,席につらなる者はボラがとびこんだと喜び,これをとって踊るふうがあった。宮城県牡鹿,桃生(ものお)の沿海ではマンナオシのことをタルイレと呼んでいる。船方の主婦たちがお神酒とオハネ(紙に包んだ米)をもって土地ごとの氏神に詣り,ときには社にお籠りする。唐桑町鮪立(しびたて)ではオカミ(巫女)に占ってもらい,巫女がくれる洗米を船頭が生で食べたり,ご幣で船を浄めたりする。このようにマンナオシに巫女や主婦が関与する習俗は,船霊の祭祀が巫女や主婦の管轄にあったころの古態をとどめている。