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●マンスール

AD713 

 713ころ〜775 アッバース朝第2代カリフ 在位754〜775。異母弟の初代カリフ,サッファーフの4年間の治世のあとを承けた,アッバース朝体制の実質上の建設者。精力的で冷酷無慚な人物とされていて,アッバース家カリフ位に反対するアリー家(シーア派)を弾圧したばかりでなく,自己の権力の確立に障害となる人物は,たとえ叔父アブドッラーや功臣アブー=ムスリムのような,アッバース朝を成立させた革命運動の功労者であっても抹殺した。こうしてアッバース家の立場を強固にするとともに,帝国支配の理念としての神権的カリフ観念の確立と権力の中央集権化を図り,そのための官僚機構や地方行政機構の整備,法官(カーディー)の直接任命による司法権の地方総督からの独立,駅逓制度の完備とその情報機関としての利用,歳入の増大と備蓄などの諸政策を実行し,また762年から766年にかけて,新都バグダードを建設して,のちのアッバース朝繁栄の基礎を築いた。