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●マルサス

ヨーロッパ 英国 AD1766 ハノーヴァー・ウィンザー朝

 1766〜1834 イギリスの古典派経済学者。サリー州の地主の子でケンブリッジ大学卒。1798年,アルバリの牧師補,のちヘリバリの東インド会社付属学校の歴史学・経済学教授,主著『人口論』(1798)で下層階級の貧困の原因を幾何級数的に増加する人口と算術級数的増加しかしない食料生産の差に求める。つまり貧困は必然であり,貧困を避けるには結婚制限すなわち道徳的自覚しかないとする。かくて資本主義の矛盾を是認し,救貧法などの社会改革は貧民を怠けさせるとして排斥する。『経済学原理』(1820)で労働・価値・差額地代・恐慌などについての主張を述べる。穀物法問題には自給論をとって地主利益を擁護,地代も人口増や資本蓄積のゆえとし,所有権や独占の問題にはふれない。恐慌も資本主義では過剰生産の可能性を認めながら,克服策は非生産的消費増,すなわち地主階級の消費力に期待する,この面がケインズの需要創造説につらなるという。彼の学説は地主資本主義擁護の傾向が強く,また自由を求める古典派経済学のなかにあって体制擁護の性格が強い。

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